抱擁、あるいはライスには塩を 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2014年1月17日発売)
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本棚登録 : 1938
感想 : 114

自分の中で感情とか状況の把握とか迷いない判断とかを整理整頓できない人ほど芸術が必要なのだ。そうやって外の世界を吸収したり発信したりするやり方で世の中との接点を作る。
んじゃないかなあと思いました。

ある一族の世代を超えた物語。といえばガルシアマルケスで桜庭一樹で。全然興味なかったけど読んでみようかなあ。
江國香織さんの書いた本の中でも私は好きなものと嫌いなものがはっきり分かれるけどこの本は好き。
基本的にエッセイが一番好きで小説、短編集は苦手だったけど(きらきらひかる、は特別で大好きでものすごく泣いてしまう)、好きな本リストに一冊加えられました。

異質なものを排除しようとする動き、そうされることに対する過剰反応はもうほとんど暴力で読んでいて辛かったけど、その分幸せな家族の風景の描写が際立って心が暖かくなりました。冬に読む本だな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月30日
読了日 : 2017年11月23日
本棚登録日 : 2017年11月17日

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