橋本治の人生相談本。雑誌に連載されていたのをまとめたものらしい
橋本治が相談者に対して、すごく内角にえぐるタマを投げ返してくる。デッドボールすれすれ。相談者が10代だろうが50代だろうが容赦ない。回答は論理的に強固に構築されていて、論理的豪速球と言っていい。論理的豪速球に付き合うのはしんどい。読者にも論理的体力が要求される。しかし体力のある読者なら読み物としておもしろいだろう。
回答の多くは「相談者はこういうことに違いない」という強引な断定の上に成り立っている。相談者の役に立つかどうかは疑問だが、読者に効いてしまう部分はある。10代の相談者から寄せられた、老人ホームにいる祖父の話が一番効いた。
ところで、この本の相談内容は本当に雑誌読者から寄せられたものなんだろうか?著者が相談を自分で書いて自分で返答する自作自演なのではないか?そんな疑いを持ってしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月7日
- 読了日 : 2022年8月7日
- 本棚登録日 : 2022年7月29日
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