もう都会を捨てて、どこかの田舎で低生産低消費の、半自給自足のような生活を模索したほうがいいのではないか?みたいなことを時々考える。しかし閉鎖的で排他的な田舎の怖い話というのは時々目にする。正直やっていける気がしない。そもそも、その田舎ってどうやって見つけるんだ?
行政が主導するIターンやら地域おこし協力隊やらは、果たしてうまくいっているのだろうか?行政は旗振ってるけど、地域の人は本当にその施策に賛同して協力的なんだろうか?単にIターンやら地域おこし協力隊というパッケージを導入すれば上手くいく、とはとても思えない。
その点、この本の、どうやって「フルサト」を見つけ、人との繋がりを広げ、拠点の一つにしていくか、という部分の考え方と実践は参考になる。いきなり一か所に絞って移住するのではなく、何度か通って人との縁を築く。そこに移住しなくてもいいし、あるいは結果として移住することになる、というのは無理がない感じだ。そしてとにかく、一人でやろうとしないこと。共に新しくその地に関わろうとする人と一緒にやっていくこと。
ただ、年齢的にはどうなんだろうなー、とも思う。年齢なんて関係ない!田舎で40代50代は若造!やる気があれば大丈夫!とは言えない気がする。もっとも当方、そのやる気というか気力にも自信がない訳でありまして。
著者がバイタリティーありすぎて参考にならない部分もある。こんな社交力とバイタリティーあったら、田舎だろうが都会だろうが外国だろうが、どこででもやっていけるだろう。そういう能力の低い人間である自分としては、既に拠点作りに動いている集まりに乗っかるのがいい気がする。例えば、各地で山奥ニートのようなシェアハウスを作る動きは始まっているから、それを手がかりにするのはアリだろう。移住まではいかなくても、そこに精神的物理的な居場所ができれば生きやすくなることは間違いない。
- 感想投稿日 : 2021年1月24日
- 読了日 : 2021年1月25日
- 本棚登録日 : 2021年1月13日
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