信号機シリーズ1作目。専門学校に通うアニメ科の史鶴と、ファッション科の冲村が主人公で、等身大で身近に感じられる話です。
ただ、専門学校だけに専門的なワードが続出するので、面白いか面白くないかがずい分興味の違いで分かれる内容だと思いました。ものすごく踏み込んだ専門知識に、腐まみれの心が瞬間知的硬派に変質するかと思った。
史鶴が単なるオタクではないことはもちろん、崎谷センセもかなりこだわりがあって、描写に絶対妥協はしたくないんだな、ってことはよーく分かりました。
見た目もオタクっぽい史鶴は、アニメ科と反目するファッション科の冲村たちからバカにされたりしていて、互いの第一印象はサイアクです。でも、ある事件がきっかけで交流するようになってから、史鶴はド派手な外見よりも意外に真面目な冲村に好意を持つようになっていきます。
冲村も積極的に距離を縮めようとしてきますが、史鶴の過去の不幸な恋愛経験が、冲村との関係を進めることを躊躇させてしまいます。
史鶴は自分のことを初心で未経験だと思い込んでいる冲村に、本当のことを言う勇気がありません。嫌われたくない気持ちが切ないです。そのくせ、気丈に見せているところが素直じゃない。
冲村がとてもマトモでいい奴でほっとしました。かわいいところもあるし。そして、とても史鶴を大事にしているのが伝わってきて、読んでいて一番そこが気持ちよかった。
外見だけだと、ちぐはぐで上手くいきそうにもなかった二人が、結局すごくぴったりなcpになったのが読んでいて清々しかった。冲村すごく自然体で史鶴の気持ちを分かろうとしていたし、史鶴もドロドロの恋愛観を打ち砕いて前向きに考えることができるようになってほっとしました。
Hシーンは、一連の崎谷作品から見たらかわいいレベルですが、やっぱり上手い。とっても甘い絡みです。ラブラブな二人の会話に萌える。
あと、個人的にはギャップ萌えがかなりありました。冲村が派手な印象なのにお母さんにお泊りのメールしてるのは、意外だけどかわいくてアリだなと思ったし、オタクな史鶴がHは悪い男にエロエロに開発されてるってのはサプライズで萌える。
- 感想投稿日 : 2011年11月2日
- 読了日 : 2011年11月2日
- 本棚登録日 : 2011年5月16日
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