「欲望」と資本主義-終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (1993年6月16日発売)
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本棚登録 : 490
感想 : 38
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資本主義は
国外のフロンティア
→国内の大衆消費者
→人々のアイデンティティ
→広告で作られた実態のない「好奇心」
の順に欲望を拡張してきた、と言う話。
最近までを綺麗に書いてるなぁと思ったが、読み終わって奥付を見たら1993年出版でびっくりした。

日本の成功は、同質な品を大量生産する米国的製造から、より細かいニーズに添う生産にいち早く変えたから。
その後は「個々人」に寄り添うことが出来ず、広告代理店が「好奇心」を煽り実態のない消費を作った。
いまIT企業がイケイケなのは、テクノロジーで個々人に寄り添うことを実現したからか。

小麦の罠と一緒で、豊かになって増えるからより作らなきゃいけない。
でも、昨今世界的に突然少子化が進んでいるから、もう作らなくていいというフェーズになった。
これが「モノ消費」から「コト消費」への転換駆動力な気がするな。

30年前の本だけど、近年流行った「お金2.0」とか「モチベーション革命」とかと書いてあることは同質で、なんか気が抜けた…
人間言うことは流転するんだなぁ…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2020年3月4日
読了日 : 2020年3月4日
本棚登録日 : 2020年3月2日

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