「従軍慰安婦はいなかった/本人の希望だ」「南京虐殺はなかった」と言い放ったり、他国に対する蔑視や嫌悪を煽るような発言をしたりする人たちと、それに追従する人たちは何なんだろう、と怒りと共に思って来たけれど、この本を読みながらそうなる理由が少し解明できた。
できたところで怒りは増すばかりなんだけど。
筆者はそれ系の、一冊、いや一文だって読むのにうんざりするような本、説を一つ一つ丁寧に、こういう手法で自分たちに都合よく読者を誘導していると具体的に解説していて頭が下がる。
それを彼らは聞きゃしないんだろうけど!
しかし最後にあったように、うんざりしようが相手が聞き入れなかろうが、放っておいてはいけないのだよね…。
また、終戦後の「戦争は悲惨なものだから二度としてはならない」という国内の大前提自体はともかく、その悲惨を主に軍や政府の上層部や空襲・原爆の被害者として、にしてしまったために、日本はきちんと「戦後」すら始められないままなのではないか、とも思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年1月10日
- 読了日 : 2020年1月10日
- 本棚登録日 : 2020年1月8日
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