元々、依頼もなくただただ植物のことを書きたくてネットに書き始めたという今作、面白くないわけがない。
その上、私もまさに「ベランダー」。
わかるわかるの連続で、あちこち思い切り吹き出しながら読んだのだけど、時折涙も出そうになった。
『きっと太古の昔、花こそが神を要請したのだと俺はベランダの前にへたり込みながら思いついたのだった。』
『花こそが先にあり、その奇跡を余すところなく受け取ってくれる存在が後から必要になったのである。』
そうだ、種から芽が出たり、葉が大きくなったり、蕾がついたり、花が咲いたり、その一つ一つに揺さぶられる時、私は間違いなく植物を畏怖し、畏敬の念を抱いているのだ、とハッとした。
書かれたのが少し前であり、露悪的な書き方をしていることもあって、気になるところもある。
が、植物に対する心情の描き方は本当に見事。
私はきっと再読する。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月17日
- 読了日 : 2021年5月17日
- 本棚登録日 : 2021年5月16日
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