ひとり日和

著者 :
  • 河出書房新社 (2007年2月16日発売)
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本棚登録 : 2058
感想 : 448
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なんか懐かしさを感じた。
著者の青山さんと私はほぼ同年代。
青山さんが20代前半のときの作品なので、その頃の自分の気持ちとか、感情の起伏とかを思い出して、色々懐かしく、そして恥ずかしくなりながら読んだ。

私も20代の時、主人公知寿と同じように「早く年取りたい、そうすれば、今のような悩みを抱えなくてすむはずだ」と思っていたっけなぁ。
たしかに、40が間近に迫った今、20代前半の時と同じ悩みは抱えていない。今は今で悩みはあるけど、おおむね満足して生きてる。
20代前半の「満たされなさ」「不安」。あれは一体なんだったんだろう。
自分自身のことなのに、すっかり忘れてしまっていた。この本読んで、少しだけど客観視することが出来た気がする。

知寿って、ふわふわ生きているように書かれているけど、かなり自分を持っている人だと、私は思った。
だって、親に大学行けば?と言われて、勉強したくないから行かないってはっきり言えるのはすごいレアだと思う。
大学生って、勉強より、遊んで恋してバイトして…がメインだし、余程でなければ卒業はできて、大卒で就職もできる。この世代では女性でも大学進学する子は多いし、親がお金出してくれるなら大学行くって人が多いと思う。
進学することで社会人になることを先延ばしにしたいという下心も、私にはあった。
だから、知寿が「大学はいかない、勉強したくない」ってはっきり言えるのって、すごいかっこよく思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春
感想投稿日 : 2022年3月16日
読了日 : 2022年3月16日
本棚登録日 : 2022年3月5日

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