独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2019年7月20日発売)
3.95
  • (140)
  • (218)
  • (111)
  • (15)
  • (8)
本棚登録 : 2146
感想 : 241
4

独ソ戦は通常戦争、収奪戦争、世界観戦争(絶滅戦争)が並行する形で始まったが、次第に世界観戦争の色が強くなり、絶対戦争に変質していった。互いに相手を人間だと思っていないので、捕虜や民間人の扱いも酷いもの。結果として、想像を絶する惨禍となった。

ウクライナ侵攻で、ロシアがやたらと「ネオナチ」を引き合いに出すのは何故だろうと思っていたのだが、ロシアは独ソ戦で膨大な犠牲を払ったことがトラウマとなっているとのこと。但し、ロシアは一方的な被害者ではなく、ナチスと同様に加害者でもあった点を踏まえると、良いように独ソ戦の悲劇を利用しているとも言える。

あと、スターリンによる粛清のせいで戦闘経験のある軍の幹部が死んでしまい、軍が弱体化してしまったという話はちょっと笑ってしまった。。(こんなこと書いたら、私も粛清されそう)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2022年8月15日
読了日 : 2022年8月15日
本棚登録日 : 2022年8月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする