悪人正機 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2004年11月28日発売)
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本棚登録 : 1527
感想 : 183
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ばななの父、思想大魔神吉本隆明が、いろいろについて「ゆるく」説いた本
「理想の上司とはなんだ?」から「生きるってなんだ?」まで幅広く語る中で、その内容は正直言って難しかったです。
けど核は、というか一本通った筋は「ゆとり」ということかな、と感じました。
99頁
「清貧の思想とかはダメなんです。人間は、そういうふうには生きられない生き物なんですから。遊んだり、オシャレをしたり、恋愛をしたりっていうことがなくなったら、人類の歴史のいいところはほとんどなくなっちゃうんですよ。」

これは「素質」の章でもでてきます。
ビートたけしは損して攻める、タモリは自分の領域を守っている、という例。
「常に一段上へ!」という考えも勿論正しくて、けどタモリが実はスゴイっていう考えが本作。
別にどっちが上、なんてことじゃなく、貴方ならどっちが好きですか?程度に捉えた方がいいのかな
「考える」行為を極めたお爺ちゃんが言う割には、何か物凄く身近で優しい文章です。何かしら今を変えるヒントにはなるハズです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年8月15日
読了日 : 2011年8月15日
本棚登録日 : 2011年8月15日

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