静子の日常 (中公文庫 い 115-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2012年6月23日発売)
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感想 : 62
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颯爽としていて上品で活動的な静子さん、素敵でした。
こんなおばあちゃんになりたい。
過ごしてきた月日を感じさせる落ち着きと配慮、付かず離れずの距離感。
息子さん夫婦も孫も静子さんを畏敬してるのわかるし、バーボン鷲田な山田暁と仲間たちも、フィットネスクラブのお姉さま方もコーチも、かわいい面白いおばあちゃんだと近付いてたとしても人柄の虜になってる。
山田と仲間たちと、静子さんが孫の部屋からくすねてきたバーボンを外で酌み交わしてたの微笑ましかったです。
宇陀川家やフィットネスクラブの人々のあれこれは荒野さんらしいドロドロハラハラを感じさせるところもありましたが、雨降って地固まるみたく良い方向で終わるので嫌な気持ちにならない。すごい。

大五郎さんエピソード、切ない。死別した夫の十三には「努めて」接してて、でもずっと好きだったのは大五郎さんなんだろな。
ここでぐらんぐらんに揺れても、自分の決めたことは守ってるのも素敵です。
以和子「田辺聖子(雪の降るまで)」→静子「井上荒野(静子の日常)」と、年を重ねていきたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月29日
読了日 : 2023年11月29日
本棚登録日 : 2017年1月8日

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