危険なビーナス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2019年8月9日発売)
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感想 : 367
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東野圭吾の比較的最近の作品(2016年単行本、2019年文庫本)。
獣医の手島伯朗が主人公。伯朗の異父弟の矢神明人が行方不明だと言ってその妻と名乗る楓が伯朗を訪ねて来るところからこの物語は始まる。
伯朗の父親手島一清は画家で伯朗が5才の時に病死、母親が再婚した相手が資産家の長男で精神科医の矢神康治、明人の父親である。二人の母親の禎子は16年前に他界、康治も病床に臥しており余命長くない。
行方不明の明人の消息に矢神一族が関係していると思っている楓が伯朗に協力を求めて、矢神一族に近づき探ぐっていく。
一族に怪しい人間が何人も登場し、先に亡くなった康治の父親、即ち明人の祖父矢神康之介の残した遺産相続の件で一族に争いが起きる。
そして禎子は事故死とされているが、殺されたのではないかと疑問が生じて、事件は急展開する。
正義感が強いが女に惚れっぽい伯朗、康之介の遺産を全て相続するとされた天才的な頭脳の持ち主の明人、美人で魅力的な楓、精神科医で脳の研究に没頭した康治、そして脳腫瘍の治療を康治から受けた一清の脳の変化が事件の鍵を握ることが判ってくるが、禎子の悲しい死因が判って事件は解決する。
ところが最後にえ〜!とびっくりするような全く予想外の展開の結末になり、でもちょっと軽いノリのように思える無理がある展開だなあとは思いつつ、それでも今までにない楽しい感じの種明かしのような結末に大満足。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月24日
読了日 : 2019年12月21日
本棚登録日 : 2019年12月13日

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