清々しい作品です。粋で真っ直ぐな江戸っ子「坊っちゃん」と会津っぽ「山嵐」のコンビが、旧幕府側の人間としては嬉しいです。そして下女「清」との絆も現代ではないような間柄で当時の様子が思い描かれます。それにしても、時代は違えど人間の醜い面は変わりませんね。それをどこか滑稽に表現していますが、聖人だけの社会を目指そうなんて夢のまた夢かもしれません。そんな社会をどう生きるか?坊っちゃんのように真っ直ぐ生きるのが一番良さげですね。
漱石も時代によって作風が全然違います。こんな初期のわかりやすい作品も良いですね。伊予松山と言えば「坊っちゃん」が有名ですが、「坂の上の雲」の舞台でもあります。正岡子規との交友があったり、漱石自身が松山で教鞭を取ったり、やっぱり縁なんでしょうね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青空文庫
- 感想投稿日 : 2019年1月30日
- 読了日 : 2019年1月30日
- 本棚登録日 : 2019年1月30日
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