人間小唄 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年1月15日発売)
3.16
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本棚登録 : 908
感想 : 55
2

表紙の猿の絵に惹かれて手に取った1冊。
猿の表情とタイトル文字と作者名のバランスがすごいと思った。
すごく格好いい文庫本。
一目惚れでした。

中身の小説は(も?)強烈。
いったい何が始まったのか分からず、押される方に転がっているうちに身体と心は傷だらけになり、もう二度と元には戻れなくなってしまっていた。
何が?
この小説の主人公(?)の作家の人生が。
そして、それを読んだ私の人生観も。

大切だと思っていたことを軽く足蹴にされる。
堅い地面がなければ立っていられないのに、それをぐじゃぐじゃにされて、尚も踊ることを求められる。
自分は闘っているつもりなのに端から見ると滑稽な踊りを踊っているだけ。
やり切れない。
恥ずかしいとか言ってたら何も出来ず(呼吸も食事もなにもかも)、分かってくれとか言っても誰にも届かない。
だからこうしろと言うこともなく、そうなんだよと思い知らせてくれるような小説。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年10月13日
読了日 : 2014年10月13日
本棚登録日 : 2014年10月13日

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コメント 2件

MOTOさんのコメント
2014/10/14

本当だ♪
この猿の絵、すごいイイですね~
(しばし、
ぽ~っと見入っちゃいました。^^;)
町田庸さん、
実は気になりながらも、まだ未読の作家さんでしたが、
この本は是非手にして見たい!

きっかけをありがとうございます~♪

takanatsuさんのコメント
2014/10/15

MOTOさん、コメントありがとうございます!
そうなんです!
単行本はもっと猿がアップなのですが、私は文庫のバランスの方が好きでした。
「町田庸さん、
実は気になりながらも、まだ未読の作家さんでしたが、
この本は是非手にして見たい!」
なんと!
そうなのですね。
MOTOさんがこの小説をどう読むのか…とても気になります…!

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