職場の先輩に薦めてもらった本。
男性か女性か、未婚か既婚かで感想が変わりそうだという先輩の言葉にいろいろ納得。
そうかもしれない。
未婚女性の一人としては、なんとなくずっと落ち着かなかった。
志穂さんに感情移入しているつもりもなかったのに、利一さんのはっきりしない態度にやきもきして、心ない言葉に憤った。
でも、言葉に出来ることと出来ないことの微妙な違いとかなんだかすごく分かるような気がしてしまった。
こんなふうにうじうじするのが嫌なんだけど、どうしてもそうなってしまうことってあるんですよね。
誰にも感情移入出来ない(しにくい)のは、あまりに皆が皆自分と似ているからなのかもしれない。そんな気さえしてきます。
やりたいことがいつでも実行出来る自分とか、自分の言葉を伝えたい通りに受け取ってくれる他人とか、そんなのはありえなくて。
だからこそもどかしいし、愛おしいんだろうなということをとても感じる。
この物語の中で描かれる人のつながりや、愛情、儚い夢やら希望は、私を生かしているものと同じものだ。
閉塞感があるように思えても、緩やかな日常の中では笑える時間も確かにあることを知っている。
そんな物語のラストは驚くくらい綺麗。
優しい人達が皆笑顔でいられる世界だったらいいなと心から願う。
読書状況:いま読んでる
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- 感想投稿日 : 2015年7月11日
- 本棚登録日 : 2015年7月10日
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