黒と茶の幻想

著者 :
  • 講談社 (2001年12月12日発売)
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本棚登録 : 1533
感想 : 243
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 学生時代の友達と話すのは特別に楽しい。社会的に意味のない会話。生産性のない無駄話。でも真剣な知的考察。長い時を共有してきた者のみが交わせる、奥深い情けや皮肉や推察。社会人になってからの、立場をわきまえてしまった者同士の会話とは大きく異なっている。

 学生時代からの友人四人の男女が、数日間の旅をする。四人の一人称と四つの章。それぞれだけが持っている疑惑や秘密・記憶。森の木々のように折り重なって行く風景。

 この物語はどこへ行くのか、どんな風な結末を迎えるのか。カテゴリも分からず、だがその魅力に取り付かれながら読み進める。まさに深い森を歩き続けるかのように。

 ストーリー以外にも、彼らが交わす会話の中に気持ちをつかまれるものが、あちこち散りばめられています。忘れられない、また戻りたくなる旅のような一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年10月22日
読了日 : 2011年10月22日
本棚登録日 : 2011年10月22日

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