学生時代の友達と話すのは特別に楽しい。社会的に意味のない会話。生産性のない無駄話。でも真剣な知的考察。長い時を共有してきた者のみが交わせる、奥深い情けや皮肉や推察。社会人になってからの、立場をわきまえてしまった者同士の会話とは大きく異なっている。
学生時代からの友人四人の男女が、数日間の旅をする。四人の一人称と四つの章。それぞれだけが持っている疑惑や秘密・記憶。森の木々のように折り重なって行く風景。
この物語はどこへ行くのか、どんな風な結末を迎えるのか。カテゴリも分からず、だがその魅力に取り付かれながら読み進める。まさに深い森を歩き続けるかのように。
ストーリー以外にも、彼らが交わす会話の中に気持ちをつかまれるものが、あちこち散りばめられています。忘れられない、また戻りたくなる旅のような一冊でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年10月22日
- 読了日 : 2011年10月22日
- 本棚登録日 : 2011年10月22日
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