「奔馬」で推理した次の転生「少女、南の島」は当たっていたし、転生者の軽挙妄動も一途な情熱も今回はお休みだ。そしてなんたらあっけない、というか付け足したようなend。
これは読む側の問題なのだが、流麗で華美な名文にいささか食傷してきた(笑)。けっこう飛ばし読みをしてしまった私を(文学の)神よ、お許しください。
食傷したので大好きな安部公房を読みたくなったが、そういえば三島と安部は一歳しか違わないのであって、2人の対談などを読むとまあ、頭が良すぎて何を言っておるのかわからない。純然とした日本的なものを描く三島と、透徹と冷然と現代を描く安部という両者の作風の違いはまるで書かれた時代が違うかのようだ。
さらには作風を異にするこの2人の評価が、揃って海外でも高いというのも面白い。しかしこの小説の巨人がいたなんてすごい時代だな。
というわけでせっかく調子よく3冊読んだんだから安部に寄り道せず、この勢いで4巻目「天人五衰」へ!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年2月4日
- 読了日 : 2024年2月4日
- 本棚登録日 : 2024年2月4日
みんなの感想をみる