日本の禅文化を海外に広めた仏教学者の鈴木大拙の著書。丸善CHIHDの小城社長から薦められ、チャレンジしてみたが難解。
大拙は東洋的なるものが西洋的なるものに対して優劣では語っておらず、地球規模から捉え、カウンターカルチャーとして我われの生活にとって有意義な存在になりえると捉えている。中央アジアの砂漠の真ん中でテントを張り、星空を眺めて悟りを開いたイギリス人の話を聞き、大拙はそこに東洋性を見てとり、個人が自覚化することが重要と説く。
また、西洋に見られる二元性に対して、東洋の循環端無き、一円相という考えも興味深い。二元の線ではなく円。一はそのまま一で、二はそのまま二ではない。一に即して二がある(逆もまた然り)。これ仕事に置き替えた場合、個人を手足のように動かすよりも、集団を1つの生命体として捉えた方が建設的なような気がする。そうした見方によって、チームが目指すべき本質が見えてくるのではないか、そんな風に思いました。
読めば読むほど、気づきがある本かもしれません。手元に長く置いておきたい一冊です。
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- 感想投稿日 : 2011年9月4日
- 読了日 : 2011年9月4日
- 本棚登録日 : 2011年9月4日
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