高校生に向けて行われた講義ということで、非常にわかりやすく語られている。しかも、興味深い話題が満載である。池谷さんの本は何を読んでも面白い。しかし、わかりやすいとは書いたものの、最終日の「ゆらぎと創発」あたりはかなり厳しい内容になっている。それに付き合っていた高校生が偉いと思う。個人的にはサブリミナル効果の実験の話に最も興味がわいた。本人の意識にも上らない短時間「がんばれ」というメッセージを流してから、「にぎれ」という指示をすると、「がんばれ」がないときよりも有意に力が強くなるという。これは無意識に訴えかけるのがいいのか、それともゆっくりメッセージを出して、「がんばれ」ということばを意識させてもふつうに力は強くなるのか、そのあたりも知りたい。それから、脳内のゆらぎのために、プロゴルファーでも常にパットを正確に決められるわけではないという件も面白かった。さらに、意識的にアルファ波が出せるという話。具体的な方法は何も書かれていないが、どうするのだろう。質問したいことがらもいっぱい見つかる本でした。
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池谷裕二
- 感想投稿日 : 2014年9月25日
- 本棚登録日 : 2014年9月24日
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