フィッツジェラルド10-傑作選 (中公文庫 む 4-14)

  • 中央公論新社 (2023年11月21日発売)
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本棚登録 : 178
感想 : 5

もちろん、村上春樹翻訳だから買った。しかし、ほとんど昔買った文庫の中に入っている。30年ほど前に一度は読んでいるはず。でも全く覚えていない。きっと今とは感じ方も違っていただろう。それぞれの読後感。
「残り火」情景描写が美しい。
「氷の宮殿」二人の私がいる。ものぐさでけだるい私とエネルギッシュな私。
「リッチボーイ」僕っていったい誰なんだ。
「カットグラスの鉢」その鉢の意味が最後になってやっとわかった。最後までわからなかった。
「バビロンに帰る」前に読んでから僕も子育てをし、いろいろな人生を歩んできた。だからこそわかることがある。なんともいたたまれない結末である。
「冬の夢」結婚して、子どもを産んで、見るも無惨なということなんだろうか。百恵ちゃんだって・・・「戦争と平和」のナターシャだって・・・
「メイデー」禁酒法という時代背景を知っておく必要がある。あなた、お酒飲んでるの? どうしてお酒なんて飲んでるの? という言葉の意味合いがずいぶんと違ってくる。他の作品と比べて、短い期間の話で場面が展開し、登場人物も多い。どこでどう交差するのか気になりながら読んだ。全般的には酔っ払いの乱痴気騒ぎが続くが、僕も学生時代には似たようなことをしたものだ。そして、拳銃はスポーツ店で買えるわけだ。
「クレイジー・サンデー」 もう少し先まで読んでみたい。とりあえず、お酒に負けてしまっている。
「風の中の家族」ハリケーンが来る前と来た後、およそ1:2。前半の話だけでも十分おもしろそうな物語なのだが、突然やってくる嵐。今のように速報が流れてきたりもしないだろうから、やはり突然命を奪われたという印象なのだろうなあ。そんな中で拒んでいた手術に臨む。結果がどうだったのかが僕ははっきりと読み取れていない。 
3つのエッセイは結局どれも僕の心には残らなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 村上春樹
感想投稿日 : 2024年1月11日
読了日 : 2024年1月25日
本棚登録日 : 2023年12月3日

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