倚りかからず

著者 :
  • 筑摩書房 (1999年10月1日発売)
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本棚登録 : 439
感想 : 62
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2016.11.13
友達に「茨城のり子さんの、自分の感受性くらい、って詩が好きなんだよね」と言ったら、「倚りかからず、もいいよ」ってオススメしてくれたんで読んだ。いい。いいです。なんか、傷つきながら生きてきて、でもその傷を悠々と背負って立つ人間の強さ、清々しさ、とともに哀愁を感じた。生きる、ということに対する、並並ならぬ関心、繊細さから生まれた、とても力強い言葉。思わず、うわっ…すげぇ…と唸ってしまうような、そんな言葉。私は詩はほとんど読まないが、この著者の作品は本当に、心に迫るものがある。
こういう、傷まみれの、傷の中から生み出された誇りというか、そういう言葉を、大事にして、自分の感受性くらい自分で守りながら、何ものにも倚りかからず、生きていきたい。強く、しかし鈍くなく、繊細に、しかし弱くなく、このアンビバレンスを保ちながら、儚く生きていきたい、そう思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月13日
読了日 : 2016年11月13日
本棚登録日 : 2016年11月13日

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