花や散るらん (文春文庫 は 36-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年10月10日発売)
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本棚登録 : 400
感想 : 30
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雨宮蔵人と咲弥の生き方を通して忠臣蔵を描くという珍しい構成です。
今でも桜や紅葉の名所として美しい姿を残している六義園ですが、綱吉と柳沢吉保が出てくるとどんな作品でも薄汚く感じてしまいますね。
それはさておき葉室氏が描く武士道は本書でも健在で、忠臣蔵でさえ単なる主君の汚名を晴らすだけの忠義物語に留まらず、大奥における公家のプライドや尾形光琳や荷田春満といった絵師や国学者の観点まで絡めて非常に多面的かつ奥深い作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月10日
読了日 : 2023年9月10日
本棚登録日 : 2022年1月21日

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