1954年生まれの、群ようこさん。
あとがきに2006年、とあるから、50代になった頃の作品。
小説なら、作者の文筆活動を歴史的に考察などする以外は、年齢は特に気にしないけれど…
この本を読むにあたっては、重要だ。
なぜなら、その年代ならではの体の変化、感じ方、ひいては日常生活をも揺るがす…女性にとっては“思春期”と同じくらい重要で、劇的な変化が起きる【更年期】について書かれているからだ。
80パーセントそれしか書かれていない。
むしろそれだけで一冊できてしまうのが驚きだ。
だから、男性が読んでも共感はできないかもしれないが…
大切な人が更年期障害で苦しんでいたなら、是非とも読んで頂きたいとは思います。
同年代の友人たちがどんどん体調を崩していく。
中でも、「とりわけ更年期障害がひどく、いろいろ試してはダメで
、ホメオパシーで一時良くなったが一進一退を繰り返している」という友人が何度も出てくる。
観察記みたいだ。
その他は、群ようこさん自身の、坂道を降りて行く心と体にどう向き合うか、向き合いたいか、または正直な気持ちが書かれている。
教訓的な言い回しや、押しつけが一切ないから、おしゃべりしているような感覚で読めるのだ。
老いにどの程度抵抗するか、しないか。
その塩梅はひとりひとり違う。
アンチエイジングに必死になる人もいるが、自分はそこまではしない。
ある程度、老いを受け入れて行く。
しかし、身だしなみはきちんとしたい。
日常のささやかなことに喜びを感じたい、とようこさん。
楽しんで読めるのは、私の考え方もようこさんと同じ方向であるからだろう。
- 感想投稿日 : 2020年5月8日
- 読了日 : 2020年5月8日
- 本棚登録日 : 2020年5月8日
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