平松さんの食のエッセイは、何冊か読ませていただいている。
しかし、かぶっている、とか、デジャヴ、みたいなことが一つもない。
毎回新しい発見なのだ。
毎日、ごはんとお味噌汁の食事でも、その時のちょっとした加減や、自分の心持で、一度として同じ食事は無い…みたいなものだろうか。
この本で、アッと言わされたというか、長年生きていれば自分でも気付いていたはずなのに、初めて気付かされたと思ったのは、“鴨南蛮”
そうね~、その辺のお蕎麦屋さんで、鴨なんて入ってないけど、誰も偽装だ嘘だ、と怒ったりしませんよね。
落語の演目にちなんだ鰻料理、自分では食べられないので、お話を聞く(読む)だけでも素敵な味わい。
“海苔弁”に関する、アンケートのみの潔さ。
あらゆる“知人”から、あらゆる到来物が平松さんの元に届けられ、それらを誠心誠意をもって料理する様子。
映画に登場する料理、料理屋を描いた絵画…
話題の多様性が、驚くばかりに無限だ。
気がついたら、前作『ステーキを下町で』、手元に買ってあったのに、まで読んでいなかった…不覚!!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年7月21日
- 読了日 : 2017年7月21日
- 本棚登録日 : 2017年7月21日
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