図書館で偶然見つけて数ページめくり、そのまま一気読みでした。読み始め、読み終わることが山本さんの生涯の終わりなんだと思ったら、途中でもたもたすることに躊躇して、読み終わらないといけないと思ったのでした。
旦那さんがいずれ無人島からいなくなってしまう、と書かれているところ、旦那さんがひとりで飲みに行ってくると出かけたところ…文字を追いながら、山本さんが作家さんであることが端々からわかりました。なんというか、ハッとするというか、ことばにぎゅっと掴まれる、というか、そんな感じです。
読みながら、泣きそうになったのですが、涙が目の端に溜まる感覚はあったものの、実際に泣くことはありませんでした。
余命の告知を私は受け止められるのか。山本さんのように残された時間が限られているなかで、私は残された人たちに迷惑をかけずに、さまざまな事柄を整理できるんだろうか、なんてことが頭の中をぐるぐるしたのは確かです。
文字を追いながら、とくに「中締め」以降のところを読んだら、自分の経験のなかにも思い当たることがあって、なんとも言えない気持ちになりました。
何度も「ホスピス」という言葉がでてくるけど、山本さんがご自宅で他界することができたのは本当、よかったと思いました。私は病院のホスピス(緩和病棟)に行ったこともあるし、病院で人の死を見守ったことがある経験があり、山本さんが何度も「病院には行きたくない」と伝えたことにはひどく共感しました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月18日
- 読了日 : 2024年2月17日
- 本棚登録日 : 2024年2月17日
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