読み始めたら一気読みだった。
ひとつひとつの物語が逸品なのだ。使われていることばも通俗的な市井を描いた物語であるのに、通俗的でなく意外と丹精込められている。
今回は「吉」という若い女性のことですっと糸が通っているようだ。
1巻目のおわりには「とむらい屋」の人々が少なからずなんかしら重いものを背負っていて、その重いものに折り合いをつけた、と自覚するような物語が展開される。「誰かに何かされたから」は作られた物語だった。記憶は生き埋めになっただけで、本当に生きるためには封印されていた埋められていた事実に向き合わないといけない。
死者をきちんと弔うことは生きる者に必要なことなのだ、たしかに。生きる者が折り合いをつけて生きていくことは淡々と、本人が意識せずとも毎日は続いていくものなのだ。
つづきが読みたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月20日
- 読了日 : 2024年3月20日
- 本棚登録日 : 2024年3月20日
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