ドラッグとセックスに溺れる退廃的な日々を過ごす若者の日常が主人公の視点から描写されている。
彼らは目標もなく、刹那的な快楽を求める日々を送っている。その一方でそんな日々を心から楽しんでいる登場人物はいない。みな「殺してほしい」と思うほど傷つきながら苦しんでいる。生きていることそれ自体を否定したいかのように。
だが、最後の場面で主人公はガラスの破片を自身の左腕に突き刺し、その痛みで自身の生を実感した。リリーの部屋を出て、何度も転びながら、草むらに寝転がった主人公はガラスの破片をかざし、限りなく透明に近いブルーのガラスのようになりたいと思った。
最後の最後で主人公は自らの生を実感し、退廃的な日常の中で微かな希望を掴むことが出来たのではないか。「限りなく透明に近いブルー」とは、主人公にとっての希望の象徴であると感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年2月26日
- 読了日 : 2018年2月26日
- 本棚登録日 : 2018年2月26日
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