不完全性定理とはなにか (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2013年4月19日発売)
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本棚登録 : 420
感想 : 51
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最高にエキサイティングだった!ゲーデル・チューリング・チャイティン・一摘みのノイマン。最後の万物理論はこのシステム内では証明不可能かもしれないが、外宇宙(システム外)では証明可能かもしれないという"妄想"は私が初めてカラビ・ヤウ多様体を観た時に感じた"感想"にかなり近く、とても面白かった。(ちなみに私は最も嫌われ者の強い人間原理主義者だ。)「科学の終焉」で述べられていた「世界を変えた偉人」にニュートン・ダーウィン・ゲーデル(&チューリング)・アインシュタイン・量子力学(プランク・ボーア・シュレーディンガー・ハイゼンベルク)・ワトソン&クリックが挙げられていて。私はダーウィン・ゲーテルの著作についてちっとも触れた事がない事に自分で驚き(ネオ・ダーウィニズムとかフォン・ノイマンとか後ろ側からは読んでるのに)、他の「発見」に比べて「不完全性定理」という素人の私には今一何がどう革命的なのか理解し難かったゲーデルを読んでみたかった。結果、これ程までに革命的(特にゲーデル→チューリング→ノイマンの流れは芸術的ですらある)な発見があったことに驚かされた。凄い、凄すぎる。世界は天才達の発見で動いている。あと、ラプラスの魔についても触れてあったけれど(不確定性原理があるとはいえ、何か納得がいっていなかったのだ)、万能チューリング機械と多元宇宙を並べた比喩で長年のもやもやがスッキリした。最高にエキサイティングな本だった!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 激ヤバ鬼マスト
感想投稿日 : 2022年8月23日
読了日 : 2022年8月23日
本棚登録日 : 2022年3月9日

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