雲を斬る

著者 :
  • 講談社 (2006年4月4日発売)
3.13
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本棚登録 : 56
感想 : 9
3

奇妙な夫婦が1番面白かった。
最後の理由が読み終えた時にはわからなかったけど、
男谷の視点から追っていくとわかった気がする。

邂逅するまで美代の事は思い出さなかった。

気の強い目で「ついていく」と言った姿。
絆されているけれど決して「好き」など言わない姿。
今のままで男谷は幸せなのに「赤子のために死ね(対決しろ)という姿。
(多分この時彼は悲しかった)

最後の最後で、自分を思っていることを示してくれた美代。
共に生きようと言ってくれた美代

愛しているから殺したいという狂気の気持ちではなく、
ただただ止めに入った瞬間の美代の姿が最高に愛おしかったのだと思う。
男谷の胸を打つ程。
だから刀が舞った。

彼のなかには赤子の事は頭になかった。ただ美代しか見えてなかったのだと思う。

他は、敵の正体もご都合主義というか主人公の禍根を終わらせるために本当は違うけど別人(敵)だと名乗った気がする。最後飛ぶ必要がわからない。男谷が濃すぎたせいか、他全部薄味だった印象。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年6月27日
読了日 : 2012年7月1日
本棚登録日 : 2012年6月27日

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