ステップ (中公文庫 し 39-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2012年3月23日発売)
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本棚登録 : 3828
感想 : 304
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R2.4.17 読了。

 映画化されると聞き手に取った。妻に先立たれた夫と幼い娘の物語。家族の形にこだわらなくとも良い。そう思える。重松さんの作品はやはり優しさにあふれている。
 人は生まれてからいろんな人達に支えられて、愛されて、育てられて、大人になっていくんだということをあらためて気づかせてくれる作品でした。
なんか読後のいまなら「ありがとう」って、素直に言える気がする。

・「一所懸命なひとがいる。不器用なひとがいる。のんびりしたほうがいいのはわかっていても、それができないタチのひとがいる。いいじゃないか。みんなとは違う。悪くないじゃないか。がんばって、つい夢中になって、みんなからはずれて、はぐれてしまう。ときどき意地を張りすぎたり、みんなのもとへ帰るタイミングを逃したりする。それもいいじゃないか。」
・「目の前の今日を、あたふたしながら生きているだけだ。」
・「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。」
・「悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名
感想投稿日 : 2020年4月17日
読了日 : 2020年4月17日
本棚登録日 : 2018年2月23日

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