人のセックスを笑うな (河出文庫 や 17-1)

  • 河出書房新社 (2006年10月5日発売)
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R3.10.20 読了。

 タイトルが気になっていて購入。2編の短編小説。
 19歳の青年と39歳の人妻の恋愛(不倫関係だけど)小説。この人妻のユリちゃんは決して美人ではなく、青年の磯貝君の好みの女性のタイプでもないのに、磯貝君がユリちゃんに惹かれていく。磯貝君はユリちゃんから、誰かを好きになることを教えてもらったんだろうな。作中の磯貝君の気持ちには、なんとなく分かると思える部分が多かった。タイトルは他人の意見、それとも自分自身の意見?。恋愛は人それぞれだから、その人たちが幸せなら同性どおしでも年の差カップルでも熟年カップルでも良いでしょって、言ってくれているのかなと思うのであった。
 この本の解説は、いまいちピンとこなかったなあ。

・「寂しいから誰かに触りたいなんて、ばかだ。相手を大切な人に思い、しっかり人間関係を築きながら、愛撫はゆっくり優しく丁寧に、且つ、エッチに、相手の反応を細かく見ながらやるべき。」
・「オレはかわいい女の子が好きだと思っていた。(中略)しかし、恋してみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。」
・「大事な人と抱き合って新しい年を迎えるということは、陳腐なようでいて、実は奇跡だ。」
・「寂しさというものはユリにも、他の女の子にも、埋めてもらうようなものじゃない。無理に解消しようとしないで、じっと抱きかかえて過ごしていこう。その寂しさやストレスはかわいがってお供にする。一生ついてきたっていいよ。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家名
感想投稿日 : 2021年10月22日
読了日 : 2021年10月20日
本棚登録日 : 2021年10月4日

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