以前、途中で挫折したものと思っていましたが、再読に当たると思います。著者の、圧倒的なかつ粘り強い描写力に、ただただ驚きを覚えています。宗教的というよりも、社会的思想の具現化と思想実験の試みでした。丸ごと昭和史の底部を描き切っています。昭和を懐かしむ風潮がある昨今、その生々しい息吹を感じ、身近に思い起こすよすがに、その基礎資料として推薦したい気持ちです。今でも、大本教には関心を持っていますが、社会に対して一人立ち上がり、時代の全てに対して一度戦いを挑む、そんな宗教的人物にも十分目配りがされているのにも驚きです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年1月11日
- 読了日 : 2016年1月11日
- 本棚登録日 : 2016年1月11日
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