船戸氏の描く物語の舞台は、異国が多い。しかも、濃密で凝縮しており、映画のような臨場感で迫ってくる。本作でもその筆致は健在であり、読者を西サハラの灼熱の太陽の下に誘ってくれる。
時代は、約30年くらい遡り日本の企業が資源を求めて旺盛に海外に進出している頃の話である。
海外事業所で発生したクライシスを秘密裏に武力解決する伝説の日本人とそれに憧れる若者との邂逅からストーリーは始まり、アフリカ西端の地で傭兵として武力衝突を経験するくだりまでが上巻である。主人公のキャラクターがどんどん変わっていく過程も面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ハードボイルド
- 感想投稿日 : 2014年7月31日
- 読了日 : 2014年7月25日
- 本棚登録日 : 2014年7月25日
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