そして、星の輝く夜がくる

著者 :
  • 講談社 (2014年3月11日発売)
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東日本大震災の復興が始まったばかりの2011年5月、被災地の遠間第一小学校に神戸から派遣された小野寺先生。自身は阪神大震災で、奥さんと娘を亡くしている。

問いかけられた「忘れないで」の難しさ、なかなか整理できないと感じた。ずっと甘えるのではなく、かといって忘れ去られずに寄り添ってほしい、など複雑な思いが背景にある。


元の職場で校長と揉めて、東北への教師派遣に志願した小野寺。外から来た者として、難しい被災者の心にどこまで踏み込むべきなのか、悩みながら勤めている。一方で、生徒の指導には強い信念がある。遠慮せず、喜怒哀楽を素直に表すことで、子どもの心は健全に育つと。

まずは、自己紹介の作文に、腹の立つことを一つ書くようにと、子どもたちに宿題を出し、それを基にして壁新聞を作ることを提案する。

壁新聞をきっかけに、校内だけでなく保護者や、地域社会でも有名になった小野寺。地元との距離に悩みながら、校長の理解もあって、問題解決に活躍する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年8月22日
読了日 : 2020年8月21日
本棚登録日 : 2020年6月13日

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