勾玉三部作、二作目。小学生のころに出会ってから、何十回と読み返してきたお気に入りの小説です。上下巻で完結しているので、シリーズの前後の繋がりを気にせず楽しめます。古事記に登場するヤマトタケルがモチーフの和風ファンタジーなのですが、もちろん、元のお話を知らなくっても大丈夫。
本作の主人公は二人います。
一人は幼子の時に川を流れてきた血縁知らず、弱虫で泣き虫な小倶那。
もう一人は里長の娘で、男勝りでじゃじゃ馬なヒロインの遠子。
二人は同じ家で双子のように育ちますが、ある日、大きな転機と初めての別れを迎えます。「また会おう」と約束を交わし、それを果たそうと奮闘する物語……なのですが、果たすまでの紆余曲折たるや。波乱万丈です。
小倶那には己の生まれにまつわる苦難が降り注ぎ、遠子は秘宝を探し求める大冒険へ出ることになります。
彼らだけでなく、出会う人々にもそれぞれのドラマがあり、中でも切ない恋愛模様には何度も涙しました。
そして、譲れない思いを胸に、様々な戦いに挑む姿が本当にかっこいいのです。
小倶那と遠子は再び会えるのか。会えたとして、月日とともに変わりすぎてしまった二人は昔のような関係に戻れるのか。結末を知っていても、多彩なストーリーにいつも心を動かされます。読み返すたび、下巻まで一気に駆け抜けてしまう作品です。
図書館スタッフ(学園前):けんじ
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帝塚山大学図書館OPAC
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- 感想投稿日 : 2017年9月30日
- 読了日 : 2017年9月1日
- 本棚登録日 : 2017年9月30日
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