シェイクスピアのたくらみ (岩波新書 新赤版 1116)

著者 :
  • 岩波書店 (2008年2月20日発売)
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本棚登録 : 124
感想 : 15
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劇と観客の関係性という視点を中心に、シェイクスピアが脚本内にどんな工夫(たくらみ)をしたかという解説。劇中人物の知りうる出来事や結末と、観客が知りうる内容の違い、つまり劇中で明示された情報と暗黙に知らされている情報の差異に、シェイクスピアの意図が隠されていると分析する。別にこうした非対称性は、シェイクスピア以外の作品にも言えることだと思うが、ひょっとして後世の作品が、シェイクスピアに影響されているのだすれば、やはりシェイクスピアが大した人だと思わざるを得ない。『ハムレット』『ロミオとジュリエット』『リア王』などの有名な作品以外にも、多くの作品を教材にしている。それぞれあらすじが記されるので、それだけでも勉強になるが、新書一冊に押し込めたので、あらすじの濃縮度が高すぎて消化に苦慮するのも事実。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書 人文系
感想投稿日 : 2015年10月9日
読了日 : 2015年10月9日
本棚登録日 : 2015年9月30日

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