地下水の世界 (NHKブックス 651)

著者 :
  • NHK出版 (1992年10月1日発売)
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本棚登録 : 17
感想 : 3
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似て非なる学問で、「水理学」と「水文学」というのがあるという。前者はなんとなくわかる気がするが、後者は「水」を「天」に置き換えてみればよい。つまり「宇宙物理学」と「天文学」の違いのようだ。理屈なのか観測なのかということだろうか。著者は後者の人。
重力ポテンシャルとか浸透率とか同位体測定とか、教科書的な記述が中心だが、水の話だけではなく地形や地質にも話は広がる。そうかと思えば、突然著者の私的エピソードが語られたりと、盛りだくさんの内容。
ちょっと古い本なので、最近の研究成果はもっと進化しているのだろうが、井戸という文化が廃れ、普段は見えない地下水の実態が垣間見れた。深さの程度はあれど、地下水の存在はかなり広いようだ。水利として「池(泉)は点。川は線。地下水は面。」という文面が印象的だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書 理数系
感想投稿日 : 2012年9月8日
読了日 : 2012年9月8日
本棚登録日 : 2012年8月27日

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