女も土俵に上がらせろ、という男女平等論者への反駁で、その根拠を「結界」なる思想に求め、聖なる土俵を取り巻く幾重もの結界の証跡を示すのに多くの頁を割いている。一方で、女性の不浄性についての議論はやや歯切れが悪いような気もする。土俵を聖なる土の塊と見られる人と、だだの競技舞台と見る人の両方がいるかぎり、この問題は解決しないのかもしれないが、著者は「最後の最後の手段」という妥協案をも提示している。基本的には相撲の問題を扱ってはいるが、行き過ぎた男女平等論に対する女性自身からのアンチテーゼとも読める本である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書 体育系
- 感想投稿日 : 2011年7月5日
- 読了日 : 2011年7月5日
- 本棚登録日 : 2011年7月3日
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