『社会契約論』とほぼ同時に出版された『エミール』のうち、第一篇から第三編までを収録する。「自然人」の教育こそが主題だが、それはまったくの無為を意味するわけではない。のちにヘーゲルが、「自然法」という言葉の二義性に着目して述べたように、ここでの「自然」はむしろ人間の「本質」を意味し、それを、社会から隔絶された人工的環境を作り出すことによって実現しようとする。したがって、『エミール』は完全な作為の立場に立っている。そうした本来的な人間を作り出すための予備段階として、まず感覚からある程度の推論=判断能力を育てることが、第一篇から第三編までの主題である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年12月26日
- 読了日 : 2013年12月26日
- 本棚登録日 : 2013年12月26日
みんなの感想をみる