受精 (角川文庫 は 24-1)

  • KADOKAWA (2001年9月21日発売)
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本棚登録 : 249
感想 : 36
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スポーツクラブで知り合った明生を交通事故で失った舞子は、傷心のためにとある寺を訪れた。そこではヘルムートというドイツから来た僧が舞子をいざない、死んだ明生と会わせるという。明生と夢のような中で出会った舞子は、ヘルムートの言うがままに、ブラジルのとある先進病院へ明生の子を生むために向かう。そこには韓国、フランスなどから同じような境遇の女性たちが集まっていた。

長い一冊だが、章の切り方が絶妙で、割と読めるのがすごい。多分普通の本の3倍程度である。

ただ、死んだ男性の子を生むという設定や、女性たちが次々と官能小説のような夢心地の体験をすることから、オカルトの話かな?と思わせられるも、なかなか種明かしもされないため、どっち方面の話なのかが読めないので、厚みが苦痛に感じたのは事実だ。

途中でバーバラという妊婦が殺され、話は急展開をする。と思いきや、割と進まないんだなこれが。

中盤くらいから、医療倫理の話であるとか、ナチスドイツの話であるとか、厚い分、あれやこれやとテーマを盛ってきたが、正直なところ、1つくらいテーマが少なくても良かったと思われる。

全体に、官能小説のようなスピリチュアルな部分が蛇足に感じた。そこで減点1点。

作者は「受◯」というタイトル縛りで何作か書いているようだが、それもちょっとね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ
感想投稿日 : 2023年12月10日
読了日 : 2023年12月8日
本棚登録日 : 2023年12月10日

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