終戦のローレライ(1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年1月14日発売)
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本棚登録 : 2591
感想 : 229
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しまった。一巻しか買ってない。続きが気になって仕方がないです。
船に乗り極秘任務に向かう途中の征人たちを、敵機の機銃掃射が襲います。目の前に恐怖を突きつけられたことで、彼は自分がどうしたいのか自問し『確かなものが欲しい。そのためなら死を受け入れてもいいと思える、確かななにかが……!』との思いに駆られます。
でもこの考え何だか危ういなと思いました。これから何のために戦っていくのか、なぜ戦わなければならないのか、選び取る未来は誰のものなのか……大人の勝手な思惑がいろいろと見え隠れするなか、征人が自分で考えることで自分がどうすべきなのか見つけていってほしいです。それが自己犠牲の死でないことを願っています。
そんな絶体絶命の彼らの前に潜水艦《伊507》が姿を現します。この場面圧巻でした。これから動き出す過酷な運命を背負って、この潜水戦艦はボロボロになるまで戦っていくのでしょう。
あとはフリッツですね。冷静沈着などこか退廃的で冷めた感じの彼が、唯一声を荒げ衝動的に行動した場面、気になります。廃棄された“彼女”に叫ぶところです。「必ず迎えににくる!それまであきらめるな……!」彼女との関係、何か特別なものがありそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:著者は行
感想投稿日 : 2017年12月17日
読了日 : 2017年12月17日
本棚登録日 : 2017年12月17日

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