七つの証言 - 刑事・鳴沢了外伝 (中公文庫 と 25-25)

著者 :
  • 中央公論新社 (2012年2月23日発売)
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本棚登録 : 574
感想 : 50
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堂場瞬一、刑事・鳴沢了シリーズ、最終章?「外伝」
面白かったです。了に関わった7人の視点でそれぞれが了をどのように見ていたかが分かるような気がします。
それぞれのストーリーの最後は思わせぶりな感じで終わっており、「この後は皆さん想像してください」っ的な終わり方です。
「瞬断」は高城賢吾(警視庁失踪人捜査課刑事、この人のシリーズもあります)の視点。
「分岐」はかつての同僚で静岡の寺の副住職をしている今敬一郎。
「上下」は新潟県警の以前の部下で了を慕う刑事。
「強靭」は小説家から新聞記者に転身したが、その後退職し小説家になった長瀬龍一郎。
「脱出」は西八王子署の相棒で、鳴沢ストッパーと言われる藤田心。
「普変」はこちらも元同僚で警視庁を退職後私立探偵をしている小野寺冴。
最後の「信頼」は了の恋人内藤優美の息子の内藤勇樹。優美とは長い間結婚に踏み切れなかったが、了の子どもができ、ようやく結婚したが、勇樹はアメリカで俳優として活躍し、優美はニューヨークで弁護士になるための準備をしているため、年に数回しか会うことがない。
1巻目から読んでいくと、了の心と考え方が少しずつ変わっていく様子が分かる。一人狼で突っ張っていた了が仲間と家族ができ少しだけ角がとれた感じになってくる。それでも了は了で、自分を信じてこれからも刑事をしていくのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月26日
読了日 : 2015年4月25日
本棚登録日 : 2015年3月10日

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