春琴抄 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1951年2月2日発売)
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昭和2年4月 芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』で谷崎潤一郎と「物語の面白さ」を主張する谷崎に対して「物語の面白さ」が小説の質を決めないと反論…文学史上有名な論争を繰り広げたという。
 ただ、芥川は新現実主義で、谷崎は耽美主義 特に女性への崇拝・マゾヒズム・日本の伝統美という関係から、僕自身は両者は相容れないものがあるので論争そのものは平行線に終わったのではないか、そして昭和2年7月に芥川は自殺しているので、決着はついていないだろう。
 永井荷風に認められ、「恐ろしくも妖しい美の幻想と新奇な魅惑に富む有望な作家」と称えられたそうです。
 谷崎の小説を多く読んでいないので何とも言えないが、この小説は、谷崎の独特な美の世界の表現・文学観が窺えるように思う。解説には、美的恍惚の極致と表現されています。
 そして、あえて心理描写は抜いていると言われています。(そういえば、そうかもって感じかな。)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本純文学
感想投稿日 : 2013年11月7日
読了日 : 2013年11月7日
本棚登録日 : 2013年11月7日

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