いちばん初めにあった海 (角川文庫 か 31-1)

著者 :
  • KADOKAWA (2000年5月1日発売)
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本棚登録 : 1306
感想 : 141
5

「泣ける小説」って何だろう?と友人と話していて勧められたのがこの小説。加納朋子さんの小説はこれが初読でした。幸せな出会いでした。

最初は正体がつかめなかった千波の"設定"が徐々に明らかにされ、それにつれて深まる謎と重くなるストーリー。全体像はあまりにも哀しく、しかしそこからの転回はお見事でした。

残された謎は続編「化石の樹」でタッチを変えて。ハートフルな連作、加納朋子さんのまさに真骨頂です。

表題作の締めがシンプルだけど本当に美しくて、哀しいけどどこかが満たされる、どこまでも優しい傑作です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・ミステリ
感想投稿日 : 2016年9月11日
読了日 : 2015年3月18日
本棚登録日 : 2016年9月11日

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