「泣ける小説」って何だろう?と友人と話していて勧められたのがこの小説。加納朋子さんの小説はこれが初読でした。幸せな出会いでした。
最初は正体がつかめなかった千波の"設定"が徐々に明らかにされ、それにつれて深まる謎と重くなるストーリー。全体像はあまりにも哀しく、しかしそこからの転回はお見事でした。
残された謎は続編「化石の樹」でタッチを変えて。ハートフルな連作、加納朋子さんのまさに真骨頂です。
表題作の締めがシンプルだけど本当に美しくて、哀しいけどどこかが満たされる、どこまでも優しい傑作です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年9月11日
- 読了日 : 2015年3月18日
- 本棚登録日 : 2016年9月11日
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