「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。
昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思うと正直…。きかんしゃトーマスとトップハム・ハット卿の漫才が始まった時には本当にどうしようかと思いました。
西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱にトーマス・バートン…魅力的なキャラクターが軒並み退場してしまうと、こんなものなのでしょうか。そして史了どこ行った?ずっと読み続けてきてこの結末は、寂しさを禁じえません。
「蒼穹の昴」と「中原の虹」の間に「珍妃の井戸」があったように、本書も幕間である事を期待したいものです。もっとも、この先続けても雄大さは感じられるのかなあ…。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年9月18日
- 読了日 : 2014年7月13日
- 本棚登録日 : 2016年9月18日
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