伝統ある男子校の寮に、年末帰省せず居残った(または居着いた)4人による青春物語。
とはいえ、「青春」と単純にひとくくりにしてしまえるほど甘いノスタルジックな話ではありませんでした。互いの距離感が絶妙です。共同生活のパートナーとはいえ、普段から大の仲良しではない。なんとなくの腹の探り合い。無邪気に踏み込んで踏み抜く地雷。やがて溶け合う意識、浮かび上がる闇。
どこまでも静謐で、しかし物語はしっかりと動く。このカラーは高校の寮という設定あればこそで、ああやはり青春ものだなあと一周回って感心させられました。ハラハラドキドキしなくてもいい。こんな冒険譚もアリでしょう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2023年4月27日
- 読了日 : 2023年4月27日
- 本棚登録日 : 2023年4月27日
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