1843年カナダで起きた殺人事件の犯人として服役中のグレイスは、精神科医ジョーダンの聞き取りのもと、過去を語る。
その語りにジョーダンが魅了され引き込まれたように、読者も引き込こむ。
グレイスの記憶は確かで信頼性があり(そうに思わされた?)、語りは魅力的で誠実(そうだ)。
だが確かな記憶などというものはあるのだろうか?記憶は語るたびに細部は塗り替えられていないか?
そんな不安を感じながらも、辛い生い立ちながら健気に生きてきたグレイスが犯人であってほしくないと思いながら読み進めていた。
そうなのだ。
人は望むように話を聞くのだ。信じたいことを信じる。真相は歪められる。
(下巻へ)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年1月28日
- 読了日 : 2021年1月19日
- 本棚登録日 : 2017年4月5日
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