文庫だと『小説の聖典(バイブル) -漫談で読む文学入門-』というタイトルに変わっていますが、個人的には旧題のほうが思わず手に取りたくなるタイトルで好きです。
小説家奥泉光といとうせいこうがボケ・ツッコミに分かれて漫談形式で文学について語るという本(実際に人前でおこなった漫談をもとに構成)。文芸評論家の渡辺直己が二人のやり取りに対してさらなるツッコミをいれるような形で、注釈を加える構造になっています。
漫談という看板を掲げているだけあって、笑えておもしろおかしくすらすら読めます。その実、話している内容は非常に高度。立ち止まって考えだすと、考え込んでしまってページがすすみません。でも、そうやって考えることがとても楽しい。笑いながら勢いで読んで楽しんで、そのあとじっくり読んで楽しむという二重の楽しみを味わえる本です。
「物語」と「小説」の違いや、「ギャグ」と「ユーモア」と「イロニー」の関係性など、うなずけるところ多々あり。
小説を読んだり書いたりするときの基礎となるような本で、まさに文学入門。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年10月13日
- 読了日 : 2013年10月13日
- 本棚登録日 : 2013年10月13日
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