遠縁の女

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年4月14日発売)
3.51
  • (9)
  • (31)
  • (24)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 158
感想 : 31
4

『機織る武家』『沼尻新田』『遠縁の女』の三篇。
いつもの如く、武家やその妻女が何かを強く希求する清冽な生き方を描いた作品です。

青山さんはもともと端正な文章の書き手という認識がありましたが、こんな文体だったでしょうか?
キリキリと張詰めた弦のような文章が小気味よく連なり、読むうちにそのリズムに乗ってしまい、ストーリーの瑕疵は有ると思うのですが、それをあげつらうことさえ忘れて一気に読了してしまいます。

一つ不満は表紙ですね。本のタイトルが「遠縁の女」で表紙がヌード画。何やら怪しげで、図書館で借りるのにちょっと躊躇してしまいます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代
感想投稿日 : 2018年3月25日
読了日 : 2018年3月24日
本棚登録日 : 2018年3月25日

みんなの感想をみる

コメント 3件

しずくさんのコメント
2018/05/06

文平さんは「つまをめとらば」が初めてでした。下記にレビューしておりますのでよろしかったらどうぞ
http://amegasuki3.blog.fc2.com/blog-entry-269.html
武士が貸し本屋を生業とするのが面白く、小学校時代に(土曜日だけ漫画を見ても良いと許可されて)楽しみにしていたのを想いだしました。『白樫の樹の下で』も好きな作品です。

しずくさんのコメント
2018/05/06

>「遠縁の女」で表紙がヌード画。何やら怪しげで、図書館で借りるのにちょっと躊躇してしまいます

todo23のお困り顔が想像されました(ぺこり)

todo23さんのコメント
2018/05/07

青山さん、最近一押しの作家さんの一人です。
全部読んだと思ったのですが、改めて調べたら、なんと『つまをめとらば』は未読でした。それと『鬼はもとより』の2冊。余り多作な作家さんではないので、じっくり読んで行こうと思います。

『遠縁の女』実は予約で取り置きして貰ってたので、棚から図書館の女性が引っ張り出してきたのを見てギョッとしたというのが本当です。思わず「これ真面目な時代小説ですよ」と言い訳したくなりました。

ツイートする