ディアトロフ峠事件、冷戦時下ロシアの工科大学大学生たち9人が遭難、不可解な死をめぐる真相を現代から考察するノンフィクション。取材から推定される被害者の行軍と捜査、現在の著者が実際にディアトロフ峠へ向かう状況がパラレルに展開する構成で、ゆっくりと確信へと近づいていく感覚が面白い。しかし確信も本当に終盤までぼんやりとしたもので、改めて考察に入ってからの急展開、最終的に最悪な場所が彼らを死に至らしめたこと、読後感は独特の重さがあった。
話から伝わる当時のソビエトの状況、彼らの様子が生き生きと描かれているところも面白かった。
不可解かと思っていたことも最終的には科学的な考察で腑に落ちる形にまとめ上げるところ良い。フィクションのような世界観で、着地点があることで逆に興奮が冷めていくような感じもあり、少し新鮮な感覚ある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年2月5日
- 読了日 : 2019年2月5日
- 本棚登録日 : 2019年2月5日
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